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★模擬授業の観察法と分析について
今回の授業観察では、全種目に於いて「期間記録」、「教師の相互行動」、「学習者行動(オフタスク)」、「学
習者のパフォーマンス分析」を記録します。分析は、授業班の教師役以外で行って下さい。なお、模擬授業
終了後に各班ごとに分析結果を報告してもらいますので、リーダーを中心にまとめておいて下さい。
授業場面の期間記録
<意義>
①体育授業では授業成果につながらない無駄な時間が多いため、体育の授業のマネージメントを効率的
に行う必要がある。したがって、マネージメントに費やされた時間を測定することは教師のマネージ
メント技能を向上させるうえで意義がある。
②クラス全体を対象とした教師の直接的指導の時間量や頻度が多くなると、子どもの学習の流れや勢い
を停滞させてしまう。時系列で教師の学習指導場面を捉えることによって、教師の介入の仕方の適否
を知ることができる。
③運動の学習や認知の学習が十分確保されたかどうか知ることができる。
<観察の方法>
授業中の中心的な指導―学習場面を①マネージメント(M)、②学習指導(I)、③認知的学習活動(A
1)、④運動的学習活動(A2)の4つに区分し、これらがどのような時間的系列で現れるかを観察する。
それぞれの場面に現れる行動の特徴は次のようである。
①マネージメント場面(M)―移動、待機、班分け、準備、休憩など学習成果に直接つながらない活動
場面。
②学習指導場面(I)―教師がクラス全体の子どもを対象にして説明、演示、指示などを与える場面。
子どもの側から見れば、先生の話を聞いたり、観察したりする場面になる。
③認知的学習活動場面(A1)―子どもがグループで話し合ったり、記録をとったりする場面。
④運動的学習場面(A2)―子どもが練習したり、ゲームを行ったりする場面。
<記録と集計の方法>
表1のコーディングシートを用い、場面が変わるごとに線を入れればよい。あらかじめ10秒単位に
短い線が、1分単位に長い線が引かれているので、時計を見ながらこれらの目盛りを目安に線を引けば
よい。授業が終了すれば各場面の時間量を合計し、%に換算する。