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教師行動
<意義>
授業中に教師が行う指導行動は、大きく「マネージメント」「直接的指導」「巡視」「相互作用」の四つ
に区分できる。これまでの研究から、「マネージメント」や「直接的指導」の時間量や出現頻度は子ども
の授業評価とマイナスに関係することが明らかになっている。つまり、これらの行動が多すぎると子ど
もの授業評価は低くなる傾向が見られる。「巡視」は、有効な巡視とそうでない巡視とがあり、有効な巡
視(観察)は、子どもへの相互作用と関連しながら行われる。
授業成果にもっとも強く関連する行動は、「相互作用行動」である。特に、個々人の学習活動に対する
「肯定的フィードバック(賞賛)」、「強制的フィードバック(助言)」や「励まし」は、子どもの学習成
果と深く関係することが明らかにされてきた。
くわえて肯定的フィードバックや矯正的フィードバックについては、「一般的フィードバック」よりも
「具体的フィードバック」の方が一層有効であると言われている。
特に子どもの運動的・認知的学習に対する教師の相互作用に注目し、それらの出現頻度を量定するこ
とは、教師の教授技能や教師が生み出す授業の雰囲気を知る上で有効なデータを提供してくれる。
<観察・記録の方法>
運動学習場面に限定して(マネージメント場面や直接的指導場面は省略)、教師が行う言語的、非言語
的な相互作用行動を観察・記録する。この行動が出現するごとに、その内容とそれが向けられた対象(個
人か集団か)を判断し、斜線および記号を記入すればよい。