つくば実習指導案20150430動画付き - page 2

2
す喜びに目覚め、運動に対する好意的な感情を培うことができる教材である。
(3)単元構成・教材作成の意図
平成
10
年度改訂における学習指導要領において、心と体を一体としてとらえることを重視し、それまでの
「体操」領域を改め、小学校第
5
学年以降に「体ほぐしの運動」と「体力を高める運動」から構成される
「体つくり運動」が示された。平成
20
年度の改訂では、運動する子とそうでない子の二極化の傾向が見られ
ることや生活習慣の乱れが小学校低学年にも見られるとの指摘を踏まえ、「体つくり運動」領域の一層の充実
が求められた。
そのため、これまで小学校高学年から位置付けられていた「体つくり運動」が小学校低学年から位置付け
られるとともに、発達の段階を踏まえた新たな内容として、多様な動きをつくる運動(遊び)が、小学校低
学年及び中学年で示された。また、中学校、高等学校では、体力を高める運動において、運動を組み合わせ
ること、運動の計画を立てて取り組むことなどの指導内容が改善されている。
小学校低・中学年では、核となる易しい運動を幅広く行い、基本的な動きを身に付けていくことが大切で
ある。また、児童は仲間とかかわったり、動きを工夫したりしながら運動遊びや運動の楽しさを味わうこと
ができる。一方、教師には、高学年以降につながる運動やスポーツの基本となる動きや意欲の育成に努め、
結果として体力の養成を目指しことが求められる。
よって今回の筑波実習においても、対象とした小学校第四学年の領域である「体ほぐしの運動」、「多様な
動きを作る運動」において、仲間と協力し課題を達成することができるように設定した。その課題を達成す
る中で、スポーツの基本的な動きを習得し、体力を高めることを狙いとした。
(4)授業者の授業観
今回授業を行うにあたり、以下の
2
点を特に意識して行う。
(1)ストーリー性
今回の体つくり運動では、ストーリー性を持った授業の展開を行う。ストーリー性とは、児童があらかじめ
決められた物語の中を疑似体験しているかのような場の設定や教師の言葉かけをすることである。それによ
って、児童が運動に対して関心を高めたり、意欲的に学習に参加するようになるのではないかと考えた。実際
に過去に、ストーリー性を導入した授業が実践され、児童に好評であった。よって本実践でもストーリー性を
導入し、教材とあわせてより魅力的な授業を提案したい。本授業では、「探検島に行こう」と題して、児童が
実際に探検島にいるかのような体験となるように、教材・教師の言葉かけ・掲示物等に工夫を行う。
(2)動きの質の向上
また、本実践では生徒の動きの質の向上に着目して授業を展開したい。質の良い動きとは、「①無駄な動作
が少ないこと」「②目的の動き(パフォーマンス)を効率的(安定・巧み・滑らか)に行うことができる身体
各部の動きや状態」と定義した。各運動に対する質の高い動きを定義するために、阿江ら(
2006
)や文部科学
省(
2008b
)を参考にした。また、本提案者が協議を行い動きの質の観点ならびに評価指標を作成した。(別
紙参照)
また、動きのポイントを全体に広げていくために、質の高い動きを行っている児童に代表して実演発表さ
せ、「よい動きのポイントを共有する時間」を活動の途中で設定する。どのような動きがよい動きなのかが
分かるように、実際に上手な児童の姿を見せ、どのように動いたらうまくできるのかを解説して、学級全体
に質の高い動きを価値付ける。また、学習カードに動きのポイントを書きとめさせ、ポイントの理解を促
す。運動を行っている時間も、教師の言葉掛けを大切にし、よい動きを称賛したり、よいポイントを伝えた
1 3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,...19
Powered by FlippingBook