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「1968年に高校生のジョエル・シルバーが考案し、アメリカ合衆国ニュージャージー州メイプルウッド市のコ
ロンビア高校で最初のゲームが行われた7人制のチームスポーツで、100m×37mのフィールドでフライングディ
スクを落とさずにパスをして運び、コート両端のエンドゾーン内でディスクをキャッチすれば得点となるスポー
ツです。
世界大会では17点先取の得点制で勝敗を決定します。他の球技にはないディスクの飛行特性を操る技術や走
力、持久力を必要とすることから『究極(Ultimate)』の名前が付けられました。ディスクの特性を利用した『華
麗なパスワーク』、風によって浮いているディスクを飛びつきながら掴む『ダイビングキャッチ』、コートの端ま
で届く『ロングスロー』などのダイナミックなプレーが魅力のスポーツです。
また、アルティメットは身体接触が禁止されており、フェアプレイを最重要視したセルフジャッジ制を導入し
ていることが最大の特徴で、選手は競技者と審判の役割を同時に求められます。プレーに参加する選手はルール
を熟知した上でプレーを進め、選手同士で意見の相違が発生した場合は自分の意見と相手の意見を考慮し、自分
に有利、不利ではなく事実に忠実に判断をすることが求められます。」
上述したように、アルティメットにおける最大の特徴は、セルフジャッジ制を導入していることにあり、これ
は「スピリット・オブ・ザ・ゲーム」という各選手のフェアプレイに対する責任感のもと、アルティメットとい
う競技が成り立っていることを表しています。
実際に世界規模の公式戦では、通常の表彰の他に、スピリット・オブ・ザ・ゲーム賞(SOTG賞)を採用してい
ます。この賞は試合毎に対戦チーム同士で相手チームを評価することにより、互いを研鑽し合い、すべてのチー
ムがスピリット向上に努めることを目的としています。アルティメットという競技スポーツを象徴する「スピリ
ット・オブ・ザ・ゲーム」の精神を称えるこの賞を受賞することは、優勝する事と同等の称賛を得るほどの価値
のある賞とされています。
(1)アルティメットの一般的特性
アルティメットは、球技全般で使用されている「ボール」の代わりに「ディスク」を用いて行う運動である。
そのため、運動技能の高低に関わらず、どのレベルの学習者においても、ディスクの飛行特性を操る技術を習得
することで、ディスクを風に乗せて比較的容易にパスし合うことの楽しさを味わうことができる運動である。ま
た、ディスクを落とさずキャッチする際に必要とされる走力や持久力を育むことができる運動である。さらに、
「身体接触の禁止」や「セルフジャッジ制」を導入していることから、フェアプレイの精神も育むことができる
運動である。
(2)アルティメットのルール
競技として行われているアルティメットのルールについては、NPO法人フライングディスク協会監修の資料
(2005)によると以下の様にまとめられる。
・オフェンスチームがエンドゾーン内で味方のパスを受けると1点である。
・パスが成功しなければ(地面に落ちる、サイドラインから出る、ディフェンスに弾かれたりキャッチされたり
する)その場で相手チームへディスク所有権が移る。
・オフェンスのルールは以下のとおりである。
①ディスクを持って歩かない(トラベリング)
②10秒以上ディスクを持ち続けない(ストーリング・アウト)
・ディフェンスのルールは以下のとおりである。