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①相手に触れない(身体接触は全てファール)
②2人以上でスローワーを取り囲まない(ダブルチーム)
③走路妨害しない(スクリーン、ピック)
・セルフジャッジ制を採用しており、プレーヤーは、自分のファールやラインコールに責任を負わねばならない。
また、アルティメットは基本的に屋外で行われる競技であるが、体育授業に導入する際、天候や地域の特色を
考慮し、屋内でも実施できるようコートを修正し、授業実践を行う。
(3)学習指導要領上におけるアルティメットの位置づけ
アルティメットは小学校学習指導要領解説体育編においては例示に明示されてはいないが、第5学年及び第6
学年の目標及び内容には「ア ゴール型」において、タグラグビーやフラッグフットボールが例示として示され
ており、アルティメットも、位置づけとしてはゴール型に該当している。
(4)児童から見た特性
・身体接触が少ないので安全面で優れている
・男女共修で学習しやすい種目
・作戦、戦略を立て実行に移しやすい
・ボールと違いディスクは滞空時間が長い
・経験者が少なく、スタートラインが同じで意欲的に取り組みやすい
(5)単元構成・教材作成の意図
1)今求められている戦術学習
従来の球技授業では、実際のゲームと無関係に個々の技術が指導され、それらがゲームに生かされていないケ
ースが多かった。また、これらの能力育成の目標を放棄して、低レベルのゲームを楽しむだけで終わっている授
業も少なくなかった。そこで、このような球技授業の問題状況を打破する試みとして、戦術学習モデルがグリフ
ィンによって提唱された(グリフィン,1999)。
戦術学習モデルは、1982年に英国のラフバラ大学のBunkerとThorpeによって提唱されたTGfU(Teaching Games
for Understanding)を始まりとして、今日までその理論的・実践的研究が積み重ねられてきた。授業は「ゲーム
→発問→練習→ゲーム」という形で展開され、ゲームの間に発問を挟むことで、作戦や戦術の理解が行われ、後
半のゲームにおいて、その成果を確認することができる。
TGfUは、技術練習の繰り返しよりも子どものゲーム理解を重視しており、技術の必要性や関連を子ども達が見
通せるようにすべきであるとともに、子ども達の戦術の鑑賞能力の向上をも期待するものであった(グリフィ
ン,1999)。
現行の学習指導要領(文部科学省,2008)では、球技領域について、「ボール操作」と「ボールを持たないと
きの動き」が明確に分類して示されるようになった。これまで曖昧であった戦術的内容が「ボールを持たないと
きの動き」という形で明示されゲームの楽しさを実現しようとする意図が明確になった(宗野・佐藤,2014)。
これらの事柄から、児童・生徒に作戦や戦術を考えさせ、また実践させる授業の必要性が伺える。
2)この単元で獲得したい能力